器用の夕べ

自転車と映画と

ツールドゆう・いずれにしても最後には疲れるのです。

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先達ってやってもうた落車の件の雪辱をなさねば。

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とおもいたち、ツールドゆう。というここら辺りでは超有名なヒルクライム大会にこん度初参加したものの、あまり猛り立ってやるとロクなことはない。という反省からヒルクライム趣味ってぐらいのユルい気持ちで挑んだ結果、まあまあ私の実力からすればこんなもんで、現状やっぱりこんなもんですよ。という確認を為したってぐらいで特段おもしろい事もおこらなかったのだが、それでもいちおう雪辱戦と心のなかで銘打ったことだし試走で1回登ったり秋用のビブとアームウォーマーを新調したりもしたのでその感想を記す。

 今年で21回目。ってぐらいには歴史のある大会ということもあり、当然のように各地から老若男女、軍関係者、あと100パー親に買ってもらったであろうロードバイクパールイズミのジャージとレーパンで本格的ないでたちの金持ちの中学生とか多くの参加者が集っておりおかげでたくさんのメーカーの自転車および衣装を見ることができたわけでそれにしてもトレック車が大人気。ー衣装ではパールイズミ。なぜだ?ーと感じ入ったのだが、もっとも驚いたのはこんなにたくさんの草ロードレースチームがあるのか! ということでチームジャージを着ている人が実に多くマジな大会なのだなぁ、と幾分ビビりつつもまぁ、こんな感想をはなから記しているぐらいだからやっぱりのほほん気分でスタートの号砲を聞いたわけなのであった。とはいっても、いちおう雪辱戦だしビブとアームウォーマーも新調したこともあり試走からはじきだした目標タイムをだすためにワタシは今回作戦をたててみた。それは「最初もドカーン作戦」である。

ヒルクライムの定石として「はじめノロノロ、中パッパッ、最後にドカーン!」(サイクルスポーツ8月号より)みたいなことが巷間伝わっておるが、ニューハ ンプシャー大学の運動生理学者ロバート・ケネフィック、フランス人ではなくアメリカ人は序盤に速いペースで走った者が一番速いタイムをだし自己ベスト に合わせて安定したペースで走った者が一番遅い。という実験結果を発表しており、フランス人ではない南アフリカ人のロス・タッカーもまた、世界記録をだしている奴らはスタート時に速く中盤は遅くなり最後にまた速く走っている。という研究成果を発表している。わかりにくいか? 

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このグラフの最後のところにもうひとつ山をもってくると「最初もドカーン、中パッパッ、最後にドカーン!」作戦となる。(グラフもサイスポから引用)

加えて、ちょうど良いことにコースレイアウトが急坂、平坦、長い急坂、平坦、ラストは激坂となっており、平坦箇所である程度回復できるであろうという目論みもあった。最後にドカーン!の部分が不安要素ではあるのだがそれは「目標の予知」というのがあってだな、人、っていうのは余力を残してゴールするために無意識的に調整を施しておるそうで、だからゴール前になると火事場のバカがワタシをふくめてたくさん出現するわけでそれを当てにする。とまぁつまり科学的見地と楽観的な観測を織り込んでレースに挑んだ結果。現状やっぱりこんなもんですよ。ってなもので目標タイムには届かずもやり切った満足感は得られたのであった。先のアメリカ人は「出だしであまりにゆっくりしてしまうと、その遅れは取り戻せません。いずれにしても最後には疲れるのです。」と語っている。オススメはしないがワタシは次回もこの作戦を敢行するつもりなのだがどうなのだろう?

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 反省点としては最後のドカーン地点がゴールから遠すぎてしまい中途もう1回失速してしまったことぐらいで、レース終了後に施されたとん汁とおにぎりは大層おいしかったし参加賞としてタオルはもらうわそば麺はもらうわ玄米お菓子もあるわでそりゃあ21回続いてるわ、と思う充実したイベントでした。

 

良いトレーニング、無駄なトレーニング 科学が教える新常識

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大星山ヒルクライム・かんぷうくんのレースに出たことで「本当に」少し死ぬ

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昨年に続き今年も大星山サイクルフェスタinひらお、というなんだかのほほんとした名称にもかかわらずJBCFの大会だったりするヒルクライムレースの一般の部にでて本当にマジで少し死んだというのはつまり、

 

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落車をしたわけであって雨の中をスタートし序盤にほんの少し平坦路があるのでふっ飛ばし気味にヘアピンカーブっていうの? に突っ込んだらマンホールの蓋だかクッレーチイングでつるっとコケた。もちろんブレーキングには気をつかったつもりでそれでもコケたのだけれども参加費がモッタイナーイ精神を発揮して粉骨砕身そこからほんの数キロ、明らかにオーバーペースで登っていったのだが膝からだっらだらと血が流れてお気に入りの靴下を赤く染めているしこれから訪れる勾配15%を平気でこえる坂の苦しさを想像してまぁ、なんというかオレはコンタドールとかフルームとかじゃねぇ! と咆哮ないしは激高しながら自転車から降りたのであった。DNF! うん、たとえ登りきってゴールしたとしても血まみれの姿に大会関係者及び他参加者たちはみなドン引きするであろうからあの時点では賢明な判断だった。だが本当はどうなのであろうか? 完走すべきではなかったのではないか?

 今大会にむけてなんども試走を繰り返したしローラー台でのインターバールトレーニングも欠かさずにやってきたしグリコのサップリメントをぱかぱか口にほうりこんだ。昨年とは比べようもなく努力と金をつかったのだが寅さんの歌にあるように奮闘努力の甲斐もなく、今年は涙の陽が落ちたのであった。たぶんイギリス人のマックス・レオナルドは、

 

僕が挫折しても誰の迷惑にもならない。しかし、意固地な誇りと、最後まで粘れなかったという後悔の念は、振り切るのに時間がかかるとわかった。チャレンジは、迎えのバスに乗ればあきらめがつくようなものではないのだ。

 と記している。ワタシもカレもアマーチュアでアマーチュアであっても、ただやり遂げることが肝要なのだ。とマックスにつづきワタシもまたこん度肝に銘じることとあいなったのだが、ところで。ヴォワチュール・バレいわゆる回収車に乗せられたワタシは、レース運営の都合上一度山頂まで行き、他参加者の下山を見送り最後尾で山を下りていくとおや、パンクで往生している車両があり持ち主である実業団系の若いおねーちゃんとヴォワチュール・バレで乗り合わすこととなって、帰りにパンクって運がなかったねー」とかいやー、恥ずかしくも落車しちゃってねーハハハッ」とかえ、東京からわざわざ? そりゃ大変だ」とか、赤城山にも出たって!すごいねー、旅費大変でしょ」とか(彼女は)どっちかというとクリテリウムが得意でヒルクライムはちょっとーっ」とかみたいな他愛もないよくあるレース話をしていたのだが、話していくうちにどうやらほぼプロフェッショナルな身上のおねえさんらしいと気づき、あの、よかったらお名前教えていただけますか?」ととたんに丁寧な物言いで尋ねたところ「オダエリカです!」と明朗快活に応えていただき、パンクをしたおねえさんは、実のところ通称オダエリちゃんという、東京オリンピックを目指してがんばっている本物のロードレーサーだったのである。お互い社交辞令とわかりつつ来年の大星山ヒルクライムでまた会いましょうと約束を交わして別れるも、内に秘めた覚悟つーか腹くくってるな。ってのを感じてやっぱりアマーチュアとはなんか違う! と恐れ入った。応援します。

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当然、肘もズルムケになった。しかし、奇跡的に新調したジャージ及びQ36.5の高級ビブは傷はついたものの破れずにすんだわけだし、これまで雨の日なんか自転車に乗ったことなかったしこれからも乗らないのだろうから今回はまぁ運がなかったという総括。

 

敗者たちのツール・ド・フランス ?ランタン・ルージュ?

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