器用の夕べ

自転車と映画と

2023Book of the yearと映画

メモによればなんと都合21冊と192本。ちょっと多すぎ。昨々年から引き続くアマプラ依存及びDVDの類いをちょくちょく、ちょくちょく、購買していたし週末に2から3本観るようになったし。今も各種ウォントリストにたんまり残っている中でのまずは次の2冊。田中小実昌「ひるは映画館、よるは酒」。酒、以外はやはりうらやむその日常。マリアンヌ・グレイ「女優ジャンヌ・モロー 型破りの聖像」。この人の他を寄せつけない圧倒的な女優像におおきな、おおきな感動をおぼえた。映画は10本。なにはともあれ、若い時分からついつい最近までチィッ。と舌打ちをし、ケッッ。と唾を吐き、ハイハイ。と小馬鹿にしていたフランス映画にどっぷりと浸かってしまいうっかりウィ。とかノン。とかメルシ。とかプロント(これはイタリアか)とか。あとサバッとかボンソワも口にしてしまうようになったので全部フランス(系)映画と為す。ジャンヌモロー雨のしのび逢い」「恋人たち」「小間使いの日記」の倦んだ瞳と口角を少しだけあげる笑顔。ジャンヌモローエヴァの匂いのなにが起ころうがどう思われようがどーってことないわ、のファムファタルぶり。クロードシャブロル「肉屋」の不穏さと憐れさとステファヌオードラン。結末にホントッ驚いたアンリジョルジュクルーゾー悪魔のような女」。カトリーヌドヌーブロシュフォールの恋人たちの眼福ぶり。ジャックベッケル「穴」の破壊音は強烈。ロミーシュナイダー「離愁」の悲しみとジャンルイトランティニャンの男ぶり。そしてあーこのオレが。この名を挙げるとは、のジャンリュックゴダール「軽蔑」の美しさ全部。ワーストは期待をもって観始めたものの「なんだこれ、」だった黒衣の花嫁」。

ジャンヌモロー祭りが開催された。まだ未見なものが控えておるので来年も引き続く。

2022Book of the yearと映画

メモによればなんと都合43冊と140本。人生初の100本越えで、これは年初にプロジェクターを導入したことに端を発し、昨年から引き続くアマプラ依存によることなのは明らかで、本の類いにしても映画関連ばかりという、振り返れば自分自身どーかしているなと感じ入った次第にくわえて「今日で○本目!」と自慢する度に我が子がほとほと呆れていた中でのまずは次の5冊。和田誠「お楽しみはこれからだ」全7巻。名著。ドンピシャで再発されてよかった。ヘルムート・カラゼク「ビリーワイルダー自作自伝」。素直に天才だ。と作品観ていちいち感嘆するわけだが軽妙洒脱さの中に隠しようもない底意地の悪さが。キャサリン・ヘプバーン「『アフリカの女王』とわたし」。文体のテンポが好みで続けて自叙伝も読了。蓮實重彦「ハリウッド映画史講義,翳りの歴史のために」。ヘイズコードと撮影所システムに対するわたしの偏見と誤解をわたしは理解することとなった。サンキュー。逢坂剛南伸坊「ハリウッド美人帖」。つまりハリウッド黄金時代にどっぷり浸かったわけだよ、君。映画は10本。なにはさておきマリリンモンローとハンフリーボガートの再発見とジーンティアニーを発見した年であった。そしてジャンルとしてのFilm Noir。マリリンモンロー紳士は金髪がお好きの多幸感。「王子と踊り子」からの至福と眼福。ハンフリーボガート三つ数えろのわけわからんがやたらとスタイリッシュな台詞とボギーの声に病みつき。ジーンティアニー哀愁の湖のとてつもないエナジー。Film Noirから「上海から来た女」の鏡。「深夜の告白」のアンクレット。アスファルトジャングル」の若い娘と馬。その他赤ちゃん教育のスピードと教授と美女の御伽噺世界観と「バニーレイクは行方不明」の不穏さに震えた。ワーストは期待をふくらませ過ぎたがゆえの「ギルダ」。

どれもこれもオールタイムベスト級でした。